村川法律事務所

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夫婦関係・離婚・養育費について


Q.配偶者の浮気が原因で離婚したいのですが,相手方に何を請求できますか。
A.婚姻後形成した財産が存在し,相手方がその多くを保持している場合は財産分与の請求を,また,離婚の原因が相手方にあるので,慰謝料をそれぞれ請求できます。

Q.未成年の子どもがいるのですが,親権はどうなりますか。
A.離婚をすることになると,父親か母親のどちらかを親権者としなければなりません。当事者同士で合意できれば良いのですが,双方が親権を主張する場合,裁判手続きによって争うことになります。
 裁判手続きを弁護士の協力なしに行うことは困難を伴いますし,勝てる事件も勝てないかもしれません。早めに弁護士にご相談ください。
 どちらに親権が得られるかについては,乳幼児の場合は母親に親権が認められる傾向があると言われています(ただし,母親の育児能力に著しい問題がある場合を除く)。子どもが中学生や高校生であり,子ども本人が母親ではなく父親の方へ行きたいと強く願っている場合等は父親に親権が認められる場合もあります。ただし,母親の方が収入が少ないからという理由では父親に親権が認められということは困難です(母親に親権が認められた上で,多額の養育費の支払いが命じられるでしょう)。

Q.子どもの親権が母親である自分に認められましたが,適切な養育費はどのくらいでしょうか。
A.あなたの収入と夫の収入状況,それからお子様の年齢・人数によって決まります。
 例えば,夫は会社員で年収500万円,ご自身はパート従業員で年収100万円,10歳のお子様お1人という場合ですと,適切な養育費は4万円から6万円程度とされています。
 ケース・事例によって異なりますので,詳しくは弁護士にお尋ね下さい。

Q.最近離婚で年金の分割ができると聞きましたがどのような制度ですか。
A.最大2分の1の限度で,相手方の厚生年金の掛け分があなたの方へ繰り込まれるという制度です。ただし,婚姻期間中の部分だけですので,婚姻前の部分については対象となりません。

Q.夫と共働きをしていますが,夫が私の給料をあてにしていて生活費を入れてくれません。愛想が尽きたのですが,離婚できますか。
A.夫婦は生活をしていく上で協力・扶助の義務があります(民法752条)。相手方配偶者の生活費の不払い(一般的には夫であることが多い)や,過度な浪費なども婚姻を継続しがたい重大な事由となります。

Q.相手方配偶者と性格があいません。離婚したいのですが,相手方は離婚しないと言います。離婚できるのでしょうか。
A.性格の不一致があるだけで直ちに離婚が認められるわけではありません。しかし,事情によっては離婚が認められる可能性がありますので,あきらめることはありません。例えば,性格の不一致を元にしたトラブルが続いたり,夫婦の関係悪化することにより「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)に該当し,離婚が認められる可能性があります。夫婦間のトラブルは千差万別ですので,早めに専門家である弁護士に相談をすることをお勧めします。。

Q.夫は給料の大部分を賭け事や遊興費に費やしてしまい,借金までもしています。私のパートの給料で生活をしていますが,このような生活が長く続き,私はすっかり夫に愛想が尽きました。別居して離婚したいのですが,別居する事で夫婦の同居の義務違反になるのでしょうか。また,夫が生活費を要求してきたとき,それに応じる必要はありますか。
A.あなたが夫と修復できないほど夫婦関係が破綻していれば,夫と別居することは正当な理由があり,同居義務違反にはなりません。また,収入がある夫に対してあなたが扶養義務を負うことはないと思われますので,夫が生活費を要求しても応じる必要はないと思われます。
 なお,夫が定職につかないなど,現実に収入がない場合についてですが,夫に潜在的に稼働する能力がある場合は応じる必要はないと考えられます。少なくとも,夫から婚姻費用分担請求の申立てが裁判所になされない以上,特にこちらから応じることはないでしょう。

Q.夫は,私が自分の意見を言ったり夫に言い返したりすると,すぐに拳を振り上げて殴りかかろうとするポーズをとります。私はいつ殴られるのかとビクビクして,夫に言いたいことも言えません。今まで殴られたことはないのですが,この場合でも離婚はできますか。
A.暴力や虐待は,夫婦の間でも許されない行為です。夫の妻に対する同居の耐え難い暴行や虐待が原因で夫婦関係が破綻した場合,「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当し,離婚することができます。暴力には精神的な暴力も含まれますので,ご質問の場合でも離婚が認められる可能性があると思われます。

Q.夫の不倫により夫婦関係がおかしくなり,今後離婚したいと考えています。夫や夫の不倫相手に慰謝料を請求することはできますか。
A.夫の不倫で離婚を余儀なくされたのですから,夫と不倫相手の2人から精神的に傷つけられたことになります。この場合,夫と不倫相手につき共同不法行為が成立し,2人は,あなたに対し連帯して損害を賠償する義務を負います。したがって,あなたは,夫だけでなくその不倫相手に対しても慰謝料を請求することができます。ただし,夫が相手女性に関係をしつこく迫った等の特別な事情がある場合,相手女性に対する慰謝料請求は認めらないか,認められても低額になることがあるので,注意を要します。

Q.相手方配偶者と別居して離婚調停中です。離婚すること,財産分与・慰謝料の額,子どもの親権者を相手方とすることについては合意ができましたが,相手方がしばらくの間は私に子どもを会わせることを認めたくないと言っています。面接交渉に関することを合意できないだけで,離婚調停は不成立となって離婚訴訟をしなければならないのでしょうか。私は子どもに会わせてもらえないのなら,養育費を支払う気もないのですがどうしたらよいでしょうか。
A.親権者もしくは監護権者とならなかった親と未成年子の面接交渉は,家庭裁判所が審判を行うべき事項とされています。そのため離婚訴訟を起こしても判決で子どもとの面接交渉をさせるよう相手方配偶者に命じてもらうことはできません。
まず離婚を成立させて,離婚後の紛争についての調停または審判を申し立てをし,子どもとの面接交渉を求めるのがよいかと思います。
「子どもに会わせてもらえないのなら,養育費を支払う気もない」とのことですが,この場合,養育費を支払わないような無責任な親として,あなたとの面接交渉が子どもの福祉,利益を害するとの判断材料にもなりかねませんので,調停での取決めまたは審判で面接交渉ができるようになるまでの間も,子どもへの養育費は支払っていく方がよいと思われます。

Q.私は前夫のDV(ドメスティック・バイオレンス)が原因で離婚し,子どもの親権者となりました。前夫は執拗に子どもとの面接交渉を求め,私たちの住まいにやってきます。結婚中に前夫は,子どもには暴力をふるったことはありませんが,私は,前夫が子どもに会いに来ることや,子どもを前夫に会わせに連れて行くことを考えると,前夫から受けた暴力の数々を思い出して足がすくんでしまいます。前夫からの面接交渉を拒絶する方法はないのでしょうか。
A.面接交渉を禁ずることを命ずる審判を家庭裁判所に申し立てることができます。
 また,「DV防止法」10条1号に基づいて,命令の効力が生じた6か月間,あなたとお子さんの住居においてあなたやお子さんの身辺につきまとったり,お子さんの住居・就学先その他通常所在する場所の付近を徘徊することを禁じる命令(接近禁止命令)を地方裁判所に申し立てる方法もあります。

Q.私が子どもの親権者になり,元夫が子どもが18歳になるまで月々決まった金額の養育費を支払うことで離婚しました。子どもが私立大学への進学を希望していますが,今の私の収入では学費を払い続けることができません。元夫に養育費の増額を請求することはできるでしょうか。また,反対に,リストラ等で元夫の収入が減った場合,養育費の減額を求められることがあるのでしょうか。
A.離婚の際に養育費を取り決めた場合でも,離婚時に予測できなかった個人的,社会的事情の変更が生じたと認められる場合は,相手方に対して養育費の増額ないし減額,支払期間の延長等を請求することができます。

Q.離婚に際し,養育費を請求しないことを条件に,私が子どもの親権をとることを元夫に同意してもらいました。しかし今現在,生活が苦しいので元夫にも養育費を負担してほしいと考えています。この場合でも元夫に養育費を請求することはできますか。
A.請求できると考えられます。
 養育費は子どものための生活費であり,親は子どもが自立して社会人として生活できるように養育する義務があります。
 子どもには,親に対して扶養を求める権利があり,その権利は親が勝手に放棄することは許されません。
  

 この問いの裏返しとして,親権をどちらがとるのかを協議する際,相手方が「養育費はいらないから親権はこちらに欲しい」と提案してきた場合は,注意が必要です。

Q.現在離婚協議中です。夫は私が子どもの親権者となり,子どもを引き取って育てることに同意し,養育費も毎月払っていくと言います。しかし,私としては一括で養育費を支払ってもらいたいと思うのですが,そのようなことはできるのでしょうか。
A.養育費の支払いは毎月払いが原則です。しかし,ご質問のように家庭裁判所における調停離婚の場においても,親権者側から養育費の一括払いの要求が出されることがままあります。しかし,相手方が合意することが大前提であり,実際に一括払いで解決するケースは少ないようです。

Q.夫は,私と別居して他の女性と暮らしていましたが,私との正式な離婚はまだ成立していませんでした。先日,夫が亡くなりましたが,夫の勤め先から支給される死亡退職金について,同居の女性に遺贈する旨の遺言があります。この退職金を私が受給することはできないのでしょうか。
A.通常,会社の退職金規定には,退職金の受給権者の範囲,順位が定められています。受給者は,退職金規定の定めで決まりますから,当該規定に法律上の配偶者が受給権者である旨が定められていれば,上記のような遺言があったとしても,妻であるあなたがが退職金を受給することができます。

Q.私は夫と離婚しましたが,職場の男性達が,夫との離婚について詮索したり,根も葉もない噂話をして嫌がらせをしてきます。会社に相談しても個人間の問題だと言って相手にしてくれません。この場合,会社が責任を負うことはないのでしょうか。
A.雇用均等法21条は,セクハラに対する事業主の配慮義務を定めています。会社の対応が不適切な場合,道義的責任のみならず行政指導の対象となります。また,不法行為責任(使用者責任・労働契約上の配慮義務違反)に基づく損害賠償など法的責任が発生する場合もあります。







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